研究概要

 当分野では生命現象とその異常が導く疾患の分子基盤を追究しています。特に難治性遺伝子疾患を研究対象とし、その発症と関与するメカニズムを解明することで、将来的に医療現場に情報を還元することを目標に研究活動に取り組んでいます。
 主要な研究課題の一つは神経セロイドリポフスチン症(NCL)です。NCLには小児型や成人型などのタイプが知られており、いくつかの原因遺伝子が存在します。私たちはこれまでの研究において小胞体膜上に存在するNCL原因タンパク質CLN6がタンパク質異常凝集を抑止することを見出しています。タンパク質異常凝集はアルツハイマー等の神経疾患において見られる現象であることから、NCLの病態においても重要な意義を持つと考えられます。そこで当分野ではCLN6のタンパク質凝集抑止能を一つの指標とし、NCL発症の分子機構を解明しようと取り組んでいます。

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 他の研究課題としてCDKL5欠損症の病態解明に取り組んでいます。CDKL5はタンパク質リン酸化酵素であり、ミスセンス変異による酵素活性の欠失やナンセンス変異によるC末端の欠損が疾患発症の原因となります。これまでにCDKL5欠損症の発症機構は明らかにされておらず、有効な治療法も確立されていません。そこで当分野ではCDKL5を取り巻くシグナル伝達経路を明らかにすることで、CDKL5欠損症発症に関わる分子基盤を明らかにしたいと考えています。

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 これらの内容を中心に研究を進め、疾患を分子?細胞レベルで理解し、将来的に治療薬創製につながるような情報を提供することができるように努めています。また、診断ツールとして有用な手法開発にも積極的に取り組んでいます。

研究室について

実習資料

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