平成25年度徳島大学卒業式?修了式式辞

平成26年3月24日(月曜日)

会場 アスティとくしま

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平成25年度徳島大学卒業式ならびに大学院修了式にあたり、めでたく卒業される徳島大学卒業生1,220名、大学院修了生516名の皆さんに対し心からお祝い申し上げます。同時に、本日皆さんに授与された「学士」「修士」「博士」の学位はその学業の証であり、ここに至る努力に心から敬意を表します。

また、御来賓の皆様の御臨席を賜り、卒業式?修了式を挙行し皆さんの門出をお祝いできることは、徳島大学としても大きな喜びとするところです。さらに、この日を迎えるにあたりこれまでの長い間、卒業生の皆さんを見守り、応援?支援されてこられた御家族および関係者の皆様方にもお慶びとお祝いを申し上げます。

現在、色々な意味で世界が大きく動き、また大きく揺れています。このような状況の中で、グローバル化が加速度的に進んでいます。すなわち社会はますます複雑化、多様性を深め、我々に対処の能力と解決法を求めてきています。言い換えれば、皆さんがこれから出て行かれる社会は、多様性と複雑性が拡大した社会です。終身雇用、年功序列制度が崩れ、今後、職場の同僚に女性、外国人が増えてくると思います。そのような社会では、主体性を持ち、相手のことを理解し、コミュニケーション力をつけることが大切になってきます。これらのことが相手に自分を理解してもらうことに繋がってきます。そして、変化の多い社会では多くの経験をされると思いますが、決して上手くいくとは限りません。むしろ失敗を重ねながら成長していくと思います。

しかし「失敗」という言葉はネガティブな響きがあり、できれば失敗をしたくないし、耳にもしたくないものです。スタンフォード大学のティナ?シーリグは「早く何度も失敗せよ」と言っています。すなわち失敗から学ぶことが多く、学ぶものが大きいということです。反対に失敗の経験がない人は、それだけのリスクを避けているか、とっていないという考えが成立します。失敗を経験し成功も経験する中で、しっかりと深く学ぶことができるのであって、自分で挑戦しないで、やりもしないで学ぶことは不可能なのです。すなわち失敗の原因を分析し、それに対する対処方法を次へのステップとする思考回路、行動姿勢が人間力を磨くことになるのです。結局上手くいくためには「綺麗ごと」ではなく、「泥臭いこと」が時には必要となります。

また、皆さんはグローバル化時代に働く人たちです。グローバル化時代のリーダーになることが求められているのではなく、グローバル化時代に働くことのできる、生きることができる人間になることが求められています。地域を理解し、日本を理解し、世界を理解することが重要です。また、自分自身が地域から理解され、日本から理解され、世界から理解されることが必要です。すなわち異なった意見、異なった文化に対し、お互いの理解が必要不可欠の要素となってきています。是非、異なった環境、文化、慣習、考え方に違和感を覚え、それから逃げるのではなく理解するよう努力してください。自分自身が逃げると相手からの理解が得られなくなるのは自明の理です。

皆さんは、今日、徳島大学を卒業されますが、これで「学ぶ」ことが終わったわけではありません。これからも「学ぶ」ことを続けてください。エドワード?デ?ボノの「水平思考の世界」で書かれているように、ある事を突きつめて考える「垂直思考」よりも、色々な視点から考える「水平思考」のほうがアイデアを生み出しやすいことを頭に入れて、「学び」を続けてください。

最後に英国初の女性首相 マーガレット?サッチャーの言葉を贈りたいと思います。「考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる」。是非、自分の考え、アイデア、言葉、行動、人格をよく観察するようにしてください。 徳島大学で学んだことを基礎にして、地域で、日本で、そして世界で御活躍されることを心より祈念して、平成26年3月24日、徳島大学卒業ならびに徳島大学大学院修了のお祝いの言葉とします。

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最終更新日:2014年3月27日

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